
いなむらメカの雑談
2025.10.29
先日の「スピン=自転」の話は、いきなりで難しかったようなので、
上手に乗れている様子 = 人車一体
について考えてみたいと思います。
「あの人、上手いな〜。」
「まさに人車一体だね。」
「綺麗な走り」を見るとそんな表現が聞こえてきます。
上手で綺麗な走りと感じる、
バイクでよく言う「人車一体」とは何か?
どういう状態を表すのか? どうしたら、その様になれるのか?
かなり漠然としているし、目標としては曖昧ですよね。
まずはイメージをしやすくするために、
人が運動する時を想像してみましょう。
例えば、ジャンプをする時に、
例えばボールを蹴る時に、
例えば走る時に、
腕をタイミング良く決まった方向に振っています。
それは、
美しく強い動作と感じますし、
実際に、
高く飛べたり、強く蹴れたり、速く走れています。
この時、
腕を振らなくても、腕を含めた身体の重量は同じですし、
足のパワーも同じです。
だけど、
腕という部位を有効に動かす事で、
運動効率や能力が上がる事がわかります。
では、
「人+バイク」を一つの生き物としてイメージしてみたらどうでしょうか?
腕のように大きくて動かせる「人=身体」という部位 は、
人にとっての腕と同じように、
動かすことで「人+バイク」の運動効率や能力を上げられる。
と、考える事ができます。
膝でしっかりタンクを挟んでニーグリップをして、
腹筋と背筋で身体を固定して、
身体を動かさなくても(初心者に多いですね)、
アクセル、ブレーキ、ハンドルの「操作」だけで走る事はできます。
でも、
それで走ること自体ができていても、
それを見て「人車一体」と表現するのは、とても難しいと感じるかと思います。
◯適切な身体の動作(=ボディーアクション)がある事。
ロードレース、モトクロス、トライアル、白バイ、ジムカーナ等々、
各競技を見てもボディーアクションの重要性は明らかです。
各競技、様々なフォーム、様々な動作を常に行なって走行しています。
もしも身体を動かさない事が最良なら、
頻繁な乗り降りの必要のない競技用のバイクは、
身体をクルマの様にシートとシートベルトで固定するように進化しているはずです。
しかしバイクは今でも、
そのカテゴリーに合わせて動きやすくホールドしやすいデザインを模索、進化しています。
つまり、
バイクでの「人車一体」とは、
単にニーグリップをして身体が車体と一体化しているという事ではなく、
アクセル、ブレーキ、ステアリングの的確な操作に
身体を有効に動かす動作(=ボディーアクション)が加わって、
それらが高度に調和することで、
高い走行能力が発揮されている状態を指している。
と、言えますね。
人車一体 = 的確な操作 + 有効な動作(=ボディーアクション)
という事ですね。
「有効な」動作というのは、
人がジャンプをする時に腕を振るタイミングや方向がある様に、
バイク上での動作=ボディーアクションにも物理的に同じ事が言えるという事です。
単なる形として語られるフォーム にも タイミングと方向があるという事です。
小さくても高い効果があったり、大きくても効果がなかったり、逆効果だったり、、、
前回の「スピン=自転」は、その一部を説明してみました。
(^◇^;)イマイチでしたが、、、
バイクは、
最初に教習所で習う基本の「操作」技術の向上と応用はもちろん、
後に有効な「動作=ボディーアクション」を会得して、
初めて100%の性能を発揮できる乗り物です。
安全な環境で、様々なボディーアクションと操作を学び習得することで、
もっとバイクが生き生きと動いて、
走ることが、もっと安全で、もっと楽しくなります。
「良い腕」のライダーになりましょう。
一人のライダーとして、
スクール(SRTT)での練習をオススメしています。
(公道には別に集中すべき事がたくさんありますので。)
メカニックの立場としては、
先ずは操作に対してキチンと動作するためのバイク、メンテナンスが
もちろん最重要!と考えます。(お気軽にご相談ください。)
そして、カスタムの際は、走っている時も美しく見えるように、
動作も考慮したチョイスや調整をオススメしています。
見た目だけのハンドルやステップ等のカスタムをすると、
(それもアリですが、、、)
有効な動作をしにくい=物理的に曲がり(止まり)難くなる可能性がある、
という事も覚えておく事をオススメします。
新車のバイク、カスタム、メンテナンス、マイクロロン、保険
のご購入、ご依頼、ご相談は、
ドクター須田までどうぞ。
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