いなむらメカの雑談
2025.05.14
点検作業をしていると、リヤブレーキばかり使っているライダーが非常に多いので、
コーナー進入時のフロントブレーキリリースを説明しようと思います。
きちんと止まれるフロントブレーキを使いながら、
安定して進入できる参考になれば幸いです。
(ライディングは自己責任。怪我と弁当と修理代は自分持ちですので、どうぞご安全に。)
これは、
フロントブレーキで、
減速ができ、体が振られない、ハンドルにしがみつき過ぎない、
中級以上向けになります。
初級を脱してきて、
ある程度バンクしてターンをできるレベルに入ってくると、
「フロントブレーキは引きずって(残して)コーナーに入るんだよ、、、」など、
先輩やイントラさんから説明を聞く事が多いと思います。
最初は、「ちょっとだけブレーキを引きずって、曲がり始めましょう」
ぐらいのニュアンスですね。
タイヤのグリップの30%をブレーキに使って、30%をコーナリングに使うイメージです。
(それでも残り40%の余裕があります)
ここからさらに上達しよう(ペースが上がり始める)とすると、
その分、ブレーキで減速してターン(コーナー)に突っ込むようになりますが、
フロントがフワフワと安定しない。
どの辺でどこで離せばいいのか、わからない。
そして、
わからないから、安定するという理由で積極的にリヤブレーキを使う。
または、知識と機能があったりすると
フロントフォークのダンパーを過剰に強くする。
と、なってしまうようです。
ここでは、
(タイヤのグリップを100%使ってしまうと、
路面状況等のグリップの変化で滑ってしまう可能性があるので、)
例として、タイヤのグリップの80%を目一杯使って走ると仮定して
(60%でも30%でも良いですが。)
「進入のフロントブレーキのリリースだけ」の基本的説明をします。
ブレーキを伴う単純なターンでは、
まず、進入でターンに合わせてフロントブレーキで減速します。
(リヤも併用して良いですが、ここでは、フロントだけの説明です)
減速ではブレーキを目一杯、グリップの80%使用して減速します。
フロントフォークは、一番縮んだ状態(フルストローク)になリます。
減速でグリップの全てを使っている状態では、旋回に移れません。
(注:ブレーキを目一杯かけている状況で、
そのままバイクを寝かせればヤバい(スリップする)事は、説明しなくても感じていると思います)
目標とする旋回に向けて減速が出来てきたら、
ブレーキを徐々にリリースする(緩める、離す)と同時に、
徐々にターンを開始(バイクを傾ける(バンクする))します。
では、
「徐々に、、、」を説明します。
リリースとバンク1.pdf リリースとバンク2.1.pdf
ブレーキを70%60%50%、、、と、緩めたら、緩めた分、グリップに余裕が生まれます。
緩めた10%20%30%、、、分の「余ったグリップ」を
ターン(コーナリング、バンク)に使っていきます。
フロントフォークは、少しずつブレーキのストレスから解放されて、
少しずつ伸びていきます。
そして、
ブレーキが0%になった時(ブレーキを完全に離した時)が、
フルバンク(その時&そのコーナーでの一番傾いた状態)になります。
バンクを増やしていく量 と ブレーキをリリースする量、
そして、バンクとリリースが終わるタイミングが一致すると、
少しずつ伸びてきたフロントフォークは、
安定してスムーズに遠心力を受けた時の高さになります。
(このそれぞれの量とタイミングを合わせるのは練習です!)
この例では、
タイヤのグリップの80%を目一杯使用して曲がろうとしていますので、
(寝かしすぎ=遠心力のかけすぎて100%を超えないように)
ココで、定常円旋回(パーシャル=一定速度。フル旋回とも言う)になります。
(進入では大体ココで実舵角が最大になりますね)
ココが、速度が一番低く、一番バンクしているので、
一番旋回するポイントでもあります。
(向き変えとも言われますね)
上級者になってペースが上がるほど、
「徐々に」を
「クイックでも正確に」操作する必要が出てきます。
速く走るには短い制動から早く旋回に移る必要があるからです。
(この時、制動力だけではない良いブレーキシステムの良さが生きてきます。)
大型バイクは人気がありますが、
大型はストレートが速く走れちゃいますので、それだけ減速も必要になります。
重い車体はリヤブレーキではキチンと減速出来ません。
そのため、フロントブレーキの正確な操作をバイクから求められます。
グリップ感を掴みつつ、
減速から丁寧にリリース、それに合わせて丁寧に寝かす(寝かしすぎない)。
ブレーキを離した所で正確にパーシャル。
(パーシャルは、アクセルとリヤブレーキの併用でもOK)
ぜひ練習はSRTTで。https://srtt.co.jp/
上手く出来ない方は、公道ではとにかく十分減速してからコーナーに入りましょう。
コースアウトして怪我をしたり、レッカーが必要にならないよう、ご注意ください。
リヤブレーキでは止まれません、焼けてしまいます。
、、、舵角(セルフステアなど)や体の位置(遷移)のお話は、
また後で、、、(気が向いた時に書くかも。)
ブレーキフルードは、2年以内で交換。
ブレーキのオーバーホールは、遅くても10年前後で行うことを経験的に推奨しています。
公道は法令遵守、安全運転で、どうぞご安全に。
オススメのマイクロロンはドクター須田で。https://www.drsuda.co.jp/microlon/
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GSX-S1000F SEKO
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勉強になります
ありがとうございます
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